分けることと分かること
全然書いてなかったのでリハビリ兼ねてます。
2018 年末にデカルトの「方法序説」を読んだ
この時期結構、精神的に追い込まれていたというか、自分の中でいろんな問題を抱えていて、どうやって解決していいかわからなかった時期。なぜかは知らんが、頭を整理するためには定期的にインプット必要ってなってて、その一環で本を読むようにはしていた。 そういえば高校の世界史の先生が「困難は分割せよ」って言ってたのを覚えていて、なんとなく岩波文庫の「方法序説」読もっかなと思ったあたり今振り返ると運がいいなと。 読んでいくと「俺はすべての問題解ける方法編み出したよ」とか言ってて、「すげえ魔術の根源に至ったんや」と半信半疑で読み進めた記憶がある。
方法序説に書いてあること
唯一ハイライトしていた部分を引用する。
第一は、私が明証的に真であると認めるのでなければ、どんなことも真として受け入れないことだった。言い換えれば、注意深く即断と偏見を避けること、そして疑いをさしはさむ余地のまったくないほど明晰かつ判明に精神に現れるもの以外は、何も私の判断の中に含めないこと。 第二は、私が検討する難問の一つ一つを、できるだけ多くの、しかも問題をよりよく解くために必要なだけの小部分に分割すること。 第三は、私の思考を順序にしたがって導くこと。そこでは、もっとも単純でもっとも認識しやすいものから初めて、少しずつ、階段を登るようにして、最も複雑なものの認識にまで昇っていき、自然のままでは互いに前後の順序がつかないものの間にさえも順序を想定して進むこと。 そして最後は、すべての場合に、完全な枚挙と全体に渡る見直しをして、何も見落とさなかったと確信すること。
まとめると
- 人から言われたことを真に受けない
- 問題の分割
- 問題の整理整頓
- 全体を俯瞰して確認(からの 2 へもどるの繰り返し)
難しいのは 2 番目の分割なのかなと。普段は解ける問題でも、自分のコンディション次第でなかなか思いつかないことって誰もが経験したことあるはず。例えば、全然解決できなかったバグが、寝たら一瞬で解決するとかエンジニアあるあるなのかなと。深夜のポエムとかも翌朝読むと恥ずかしいとかね(これも深夜のポエム)。
しかし最近ハッとしたけど、divide(分ける)
とunderstand(分かる)
って同じ漢字なんよね。。。400 年前の哲学者すごい。
2019 年にひたすらこれを確かめていった
2019 年は「目の前の問題をどうやって解くか」という観点で、ほぼゲーム感覚で問題を分割していった。 「開発の進捗が悪い」「メンバーの状態が悪い」「トレーニングが続かない」「朝起きれない」など、生きる上で直面するものをすべて問題だと捉えて対応してった。(解決しきれていない問題はまだ多い) 問題を分割する上で一番役に立ったのはマインドマップだった。Xmindをよく使っている。miro めっちゃいいし課金してもいいんだけど、オフラインで使いたい。 マインドマップは思考を整理する上で最もかんたんな方法。
取り組む順番と分割のコツ
話戻すと、問題解決で取り組む順番はこう。
- なんかやってる
- 進捗悪くなる
- 現状をマインドマップに書き出して分割
- できるところからやって、難しい部分わからない部分を狭くしていく
- もっかいやる
で、コツはこんな感じ。
- やる前から考えすぎない
- 知りすぎるとハードルが上がる
- まずは体感してどのようなものか輪郭じみたものを掴んでから現状の整理に入る
- 分割できない場合はどうすれば分割できるようになるかを考える
- 単純に「問題を分割するに足る知識がない」のであって、それを特定できればよい
- 「単純に知識がないだけ=>調べよう」というシンプルな思考回路は自己否定に繋がらないので精神衛生上の貢献度が高い
- あまりに分割できない場合は「わからん」と書いて温めておく
- もしかしたらそれは今の自分には解けない問題かもしれない。周辺を経験することによって解けるようになったり、日常生活を送っている最中にふと思いつくことが多いのでいきなり完成させようとしない
- 抽象的な単語が出てきたら具体に落とし込む
- 誤解を恐れずに言うと抽象は逃げ
- 「一般的」「普通」「すべて」みたいな言葉はセンター試験ならほぼ間違いの選択肢)だし、これからも敏感に反応していこうと思う
- しかし、抽象も方向性を決める上では重要な表現なので、「抽象=>具体=>抽象」みたいにできるとよい
- 一つずつ解く
- マルチタスクがどうのこうの言われるけど、まずはシーケンシャルに解くことしかできない前提で動く
- 副次的な効果として、自分に過大な期待を寄せることがなくなったのはよかった
- 期限を決める
- 期限を決めることがなぜ重要なのかというと、決めないのであれば解法が無数に存在してしまうから
- 期限を決めることによって「人に聞く」のか「自分のレベル上げをする」のかの判断を自動化できる
おわりに
振り返ってみれば当たり前のことではあるんだけど、それを原理原則として知っている事によって、本当に詰んだときに「よっしゃ」と戻れるところがあるということはとても大きいこと。いままで漠然としていた「教養」とか「古典」の意味を実感した 1 年半だった。 ただ、問題は分割して解くだけだとダメで、どうやって解決策を実行していくかというのはまた難しい。なぜならば多くの問題は自分ひとりだけだと解決できなくて、自分と他者の化学反応に対応していく必要があるので。2020 年はここに力を入れて行こうと思っている。
【番外編】とても優秀とは言えなかった新卒時代
基本的に時間が無限にある前提で行動していたのもあり、なかなかビジネススキルが向上しなかった。 なんかすぐ大きいことを想定して、頻繁に大気圏突入を繰り返すような人間だったのが懐かしい。当時のあだ名がカクリコンだったけど、今なら誰だろう。目指すところはパプテマス・シロッコで、内外にプレッシャーを掛けまくってなんかわけわからんことを言いつつも結果出してるみたいになりたいのでそのうちまとめる(だけど結局は死ぬ)。 その時お世話になったパイセンから教わったことを、今やっと真に自分のものにできた気がしている。初心を忘れないように貼っとこ笑。