初めての新規事業プロダクトマネジメント
2021年明けから春頃に新規プロジェクトのプロダクトマネジメントを行い、無事ローンチと引き継ぎを行った。その際実践したことや、試してみてよかったことを書いておく。
プロジェクトのリーダーと深く話す
プロジェクトのリーダーは全能ではない。得意不得意がある。 できる限りチームメンバーが自分で意思決定して進めるように、リーダーの考え方を深いレベルで知ることが重要。これをどれだけできるかが開発スピードに直結すると行っても過言ではない。
よくあるパターンとして、都度判断を聞く場合があるが、できれば判断基準まで聞いて 1 歩 1 歩理解を深めるべし。
また、時にはリーダーの考えていることがメンバーに浸透していなかったりするので、「伝わっていません」とアラートを上げることも大事。
リーダーの実績を信じる
新規プロジェクトは往々にしてふわふわした状態で始まり、進んでいく。 そのため決まっていない、決められないことがたくさんある。それを一つずつ明確にしていくのは重要だが、時にスピードを落としてしまうこともある。
なので、リーダーがなぜその事業がうまくいくことを確信しているのかそれ自体を信じることも重要。 今回関わった事業の場合は、過去の実績を話してもらうことによって事業の成功を信じることができ、些細な問題が気にならなくなり、議論のスピードを上げることができた。
4 つのコミュニケーションを使い分ける
コロナ発生後にコミュニケーション方法が再構成されて試行錯誤している人は多いと思う。 大きく分けて次の 4 つのコミュニケーションを状況に応じて使い分けるとよさそう。
- ドキュメントによるコミュニケーション
- チャットによるコミュニケーション
- オンラインミーティング
- face-to-face コミュニケーション
理想的にはドキュメントによるコミュニケーションを増やしていくのが一番生産性が高いが、それはそれでスキルが必要。難易度は高い。
コロナ後はチャットを中心にしたコミュニケーションになりがちだが、実はこれが一番よくない。 なので怪しい雰囲気を感じたらクイックにオンラインミーティングの URL を発行してオンラインミーティングに切りかえていた。これは実際超ワークした(ヒントになった Podcast のリンクを記事の最後に貼ってます)。
そして face-to-face のコミュニケーションが意外と重要。他の 3 つのコミュニケーションではでてこない話題が絶対に出る。びっくりするくらい出る。騙されたと思って定期的に物理で集まる時間は作るべし。
見積もりは正確に行わない
ポイントは 3 つで
- ストーリーポイントで見積もる
- 規模で見積もる
- ユーザー Value で起票する
ストーリーポイントで見積もる
見積もりは意思決定に非常に重要。しかし、見積もりはあくまで見積もりで、計画することに時間を使いすぎるのは本末転倒。 ストーリーポイントで見積もりを行い、実績に基づいて見積もりを行うのがよい。 僕の場合はめっちゃ働いて週 50 ポイントくらいのアウトプットだったので、このポイントを超えない範囲でスプリント計画を立てるようにしてました。
規模で見積もる
ストーリーポイントは相対で見積もるのは有名な話だが、規模に基づいて見積もるとポイントを付けやすい。細部を考えすぎずに済む。 これはいくつか判断基準あると思うので準備しておくとよさそう。 また、十分に議論が進んでいないものに必要な調査や MTG 分の工数も乗っけて見積もっておくと過小な見積もりにならなくてよい。
ユーザー Value で起票する
なぜこれが重要かと言うと、タスクベースになった瞬間に共通言語でなくなり優先度の判断がつけにくくなるので。 また、「これは先に出せるよね」とより早くユーザーに Value を届けることにもつながる。 ちなみに細かい話だが、バックログに突っ込むときはユーザー Value で起票し、スプリント計画を建てる際にタスクに分けるとかはあり。
ユーザーに早めにプロダクトを触ってもらう
どういうプロダクトがよいか、答えを持っているのはプロジェクトリーダーでもなくセールスでもなくエンジニアでもなくユーザーのみ。 なので、実際に使ってもらってフィードバックしてもらうことが重要。 では早めに使ってもらうためにはどうすればよいか?それは実際のワークフローに組み込める MVP を早く作ること。 MVP の見極め超大事。
まとめ
事業立ち上げに一通り関わって一番感じたことはソフトウェア開発が非常に社会的な行動であるということ。 関わる人のモチベーションや人間性を理解し、理解しようとし、最適な選択を考えることは難易度が高い。 今年は爆速開発につながるハードスキルを伸ばしまくる年にしようと思っていたが、なんだかんだでソフトスキルに投資するほうがレバレッジが効くという確信が得られたのが大きかった。 スクラムマスターとかやってみるのもよさそう。
参考
アジャイルでプロジェクトを進行する際に参考にした本。
いつも参考にさせてもらっている yamotty さんの Zero Topic。